レトルト食品の生産・消費
レトルト食品の年間生産量は、30万トンを超えています。生産がもっとも多い品目はカレーで、その量は14万トン超で全体の約45%を占めています。
次いで、ミートソースを含めたパスタソースが約4万トン、中華合わせ調味料などの料理用ソースが約3万トン、ご飯類(かゆが主体)が約2万トン、マーボ豆腐の素とかまめしの素が1.5万トン前後、丼類の素が約1万トン、マグロ類などの水産物が6千トン、と続いています。シチューとハヤシと鶏肉油漬け等の食肉加工品の生産も多く、それぞれ3千トン前後に上ります。
欧米諸国では1960~70年代に家庭用としてのレトルト食品の実用化が試みられましたが、商品としては育ちませんでした。大型の冷凍冷蔵庫が早くから普及しており常温保存の必要性が高くないこと、ローストするなどオーブンでの加熱調理が食事作りの基本であるためなどが理由として考えられます。
それに対して、日本も含めてアジアでは、湯を使う(ゆでる、蒸すなど)調理法が一般的で、このことが湯で温めて食べるレトルトパウチ食品のアジアでの普及につながっているといえるでしょう。
流通量の多い国は、韓国、台湾、シンガポール、タイ、マレーシア、中国で、これらの国では国内向けばかりではなく、輸出向けの生産も行っていて、タイからはツナやカレーなどが日本にも輸出されています。
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